ホームページを作るとき、日本で一番よく使われているのは WordPress です。制作会社に頼めば、まずこれが提案されます。
今回は Astro という別の仕組みで作りました。宣伝したいわけではなく、選び方の話として役に立つと思うので書きます。結論から言うと、どちらが優れているかではなく、更新の頻度と体制で決まります。
そもそも何が違うのか
WordPress は、誰かがページを開くたびにサーバーの中でプログラム(PHP)が動き、データベースから記事を取り出して、その場でページを組み立てます。管理画面から記事を書けるのは、この仕組みがあるからです。
Astro は、記事を書いたあとにあらかじめHTMLを作っておく方式です。訪問者が来たときには、出来上がったHTMLを渡すだけ。プログラムもデータベースも動きません。
例えるなら、注文が入ってから調理するのがWordPress、作り置きを出すのがAstroです。
WordPressの良いところ(正直に)
選ばなかったからといって、悪いものではありません。
- 管理画面から誰でも書ける。 パソコンが苦手な人でも、ワープロのように更新できます
- 情報が多い。 分からないことを検索すれば、たいてい誰かが答えています
- できる人が多い。 制作会社も、あとを引き継げる人も見つけやすい
- プラグインで何でも足せる。 予約フォーム、会員機能、ネットショップまで
社内の複数人が、週に何度も更新するのであれば、WordPressのほうが確実に良いです。
それでも選ばなかった理由
更新の頻度が、月に数回だからです。
このサイトを毎日書き換えることはありません。工事のことを書き、施工事例を足していく。その程度です。そうなると、管理画面の便利さより、放っておいても壊れないことのほうが価値が出ます。
WordPressは動き続ける仕組みなので、動かし続ける手入れが要ります。
- 本体とプラグインの更新(放置すると、そこが侵入口になります)
- 更新したらデザインが崩れた、という事故
- PHPやデータベースのバージョンが上がるたびの確認
工事会社にとって、これは本業と関係のない手間です。半年放置しても何も起きないほうが、実態に合っていました。
実際に測った数字
このサイトを測ってみました。
| ページ | 転送量 | 読み込むファイル数 |
|---|---|---|
| トップページ | 314KB | 10個 |
| OSノート(一覧) | 497KB | 11個 |
| 事業内容 | 271KB | 9個 |
このうちJavaScriptは21KBです。チャット、メニューの開閉、絞り込みなど、動く部分を全部合わせてこの量です。
WordPressのサイトが必ず重いわけではありません。ただ、テーマとプラグインを重ねると、JavaScriptだけで数百KBになることは珍しくありません。訪問者が来たびにプログラムが動く前提もあるので、条件が悪くなると差が出ます。
サイト全体でも3.4MB、ページ数は3言語あわせて32ページ。 これがサーバーに置いてあるものの全部です。データベースはありません。
Astroの不便なところ
こちらも正直に書きます。
- 記事を書くのに、管理画面がない。 テキストファイルを書いて、公開の操作をします
- 書いてすぐ見られない。 公開の処理(ビルド)を挟むので、数十秒かかります
- できる人が少ない。 WordPressに比べれば、扱える制作会社はぐっと減ります
このサイトの記事は、いまMarkdownというテキスト形式で書いています。慣れれば速いのですが、「誰でも触れる」とは言えません。将来、社内の複数人で頻繁に更新したくなったら、そのときはWordPressに移すのが正解だと思っています。
どちらを選ぶか
| こういう会社なら | 向いているのは |
|---|---|
| 複数人が管理画面から、週に何度も更新する | WordPress |
| 予約・会員・ネットショップの機能が要る | WordPress |
| 更新は月に数回、書く人が決まっている | 静的サイト(Astro など) |
| 手入れの手間をできるだけ減らしたい | 静的サイト |
「新しいほうが良い」わけではありません。 自社の更新体制に合っているかどうかだけです。
私たちの場合は「月に数回、決まった人が書く」だったので、後者にしました。ちなみにこの記事もMarkdownで書いています。
