このOSノートの記事の下には、コメントを「送る」欄があります。ただし、書いたものがその場でページに出ることはありません。届いたものを私たちが読み、載せると決めたものだけが**「いただいた声」**として並びます。
一般的なブログのコメント欄とは違う形です。なぜそうしたのかを書きます。都合の良い話だけになるので、この判断の弱点も後半に書きます。
1. まず、技術的な都合がありました
正直な順番として、これが最初です。
このサイトは静的サイトです(別の記事に書きました)。あらかじめHTMLを作っておいて、訪問者にはそれを渡すだけ。書き込みをその場でページに反映する仕組みが、そもそもありません。
入れられないわけではありません。外部のコメントサービスを埋め込めば動きます。ただ、そうすると管理する場所がひとつ増えます。ログイン先が増え、規約が増え、そのサービスが終わったときに困ります。
「技術的にできないから、やらない」で終わらせるのは怠慢です。なので、そもそも要るのかを考え直しました。
2. 会社サイトのコメント欄は、たいてい空欄のまま
原状回復や内装工事の会社のサイトを見て回って気づいたことがあります。コメント欄があるサイトでも、コメントはほとんど付いていません。
理由は考えれば当たり前で、読んでいるのが管理会社やオーナーの担当者だからです。仕事中に業者のサイトを見て、実名で書き込む人はまずいません。聞きたいことがあれば、電話するか問い合わせフォームを使います。
一方で、**スパムは確実に来ます。**海外からの宣伝の書き込みは、コメント欄がある限り自動で送られ続けます。承認制にすれば公開はされませんが、毎日それを削除する係が必要になります。
そして見た目の問題があります。「コメント 0件」が全記事に並んでいる状態は、無いよりも寂しく見えます。
3. 「送る」形なら、選べる
そこで、書き込む欄ではなく送る欄にしました。
- 読んだ方は、記事の下から感想や質問を送れます
- 送られたものは、その場ではどこにも表示されません
- 私たちが読み、掲載の同意をいただいたものの中から選んで載せます
- 載せたあとでも、下ろすことができます
スパムはこちらに届くだけで、**ページには一切出ません。**承認作業も要りません。
で、この判断の弱点
ここからが本題かもしれません。
「選んでいるなら、載っている声は信用できないのでは?」 ── そのとおりです。
都合の良いものだけを選んで並べれば、それはお客様の声風の広告です。工事会社のサイトでよく見る「大変満足しています!」ばかりの欄が、そう見えるのと同じことです。選べるという長所は、そのまま短所です。
なので、選び方のほうを先に決めて、公開することにしました。
載せないもの
- 掲載の同意をいただいていないもの
- 個人や物件が特定できるもの
- 褒め言葉だけのもの
3つ目が肝だと思っています。「良い記事でした」だけの声を並べても、読む人にとって何の情報にもなりません。サクラに見えるだけです。
載せるもの
- どこが役に立ったか、何が分かりにくかったかが具体的に書かれているもの
- 実務の視点が入っているもの
- こちらにとって耳の痛い指摘
そして、**いただいた文は書き換えません。**誤字の修正と、個人が特定できる部分の伏せ字だけです。都合よく直すくらいなら、載せないほうがましだと考えています。
この基準は社内の運用文書にまとめたうえで、この記事にも書きました。基準を先に出しておけば、あとから都合よく変えにくくなるからです。
同じことを考えている会社の方へ
コメント欄を置くかどうかで迷っているなら、判断の順番はこうだと思います。
- 読者が書き込む動機があるか。 BtoBで、実名で、仕事中に。まず無いなら要りません
- 毎日スパムを消す人がいるか。 いないなら、置いた瞬間に荒れます
- 反応が欲しいだけなら、別の形がある。 「役に立ちましたか?」の2択なら、押す人はいます
私たちは3を選びました。反応が欲しかっただけで、掲示板が欲しかったわけではないと気づいたからです。
もしこの記事に言いたいことがあれば、下の欄からお送りください。耳の痛い内容ほど、載せる価値があります。
