前回、AIが書いた「もっともらしい嘘」を消した話を書きました。今回は嘘ではない文章を削った話です。
一度は、全部書き上げていました
トップページには、伝えたいことを全部載せていました。困りごと、できること、選ばれる理由、代表からの言葉、施工の流れ。どれも間違ったことは書いていません。
それを読み返して、正直な感想がこれでした。
何を伝えたいのか分からない。
測ってみた
感覚で「多い」と言っても議論になりません。ブラウザで実際に測りました。
| トップページ | 事業内容ページ | |
|---|---|---|
| 本文の文字数 | 2,481字 | 1,774字 |
| スクロール量 | 画面 約8枚ぶん | 画面 約6枚ぶん |
| セクション数 | 8 | 5 |
一般的な企業サイトのトップは、画面4〜5枚ぶん・1,200〜1,500字程度です。ちょうど倍ありました。
原因は、量ではなく繰り返しだった
もっと分かりやすい数字が出ました。トップページに出てくる語を数えたものです。
| 語 | 回数 |
|---|---|
| 写真 | 13回 |
| 追加 | 8回 |
| システム | 6回 |
「進捗を写真でお送りします」という同じ主張が、トップページだけで8か所に出ていました。ヒーローのリード文、その下の札、困りごとの答え、システムの説明、その箇条書き、選ばれる理由、代表メッセージ、そして事業内容ページの冒頭。
読む人からすると、「さっき読んだ」が7回続くことになります。情報が多いのではなく、同じ情報を7回読まされている状態でした。
さらに構造そのものが二重でした。「こんなことで困っていませんか」の4項目と、「私たちのやり方」の5項目が、ほぼ1対1で対応していたのです。しかも困りごとの側にすでに答えが書いてある。同じ表を、答えつきで2回見せていたことになります。
なぜこうなったか。一番の強みを伝えたくて、どのセクションにも入れたからです。結果として、強みが薄まりました。
削った内容
| やったこと | 効果 |
|---|---|
| 困りごとから答えを外し、問いだけの4枚に | 下の「私たちのやり方」が答えになり、フリとオチの関係になった |
| 「私たちのやり方」から、システムと丸かぶりの1項目を削除 | 5つ→4つ |
| 残り4項目の本文を、1つ130字→70字程度に | |
| ヒーローのリード文を1文に | 最初の画面は「何屋か」だけ伝わればよい |
| 代表メッセージをトップでは2段落に、全文は会社概要へ | |
| 「ご相談から着工まで」3ステップを削除 | 事業内容ページに6ステップ版があった |
結果はこうなりました。
| 前 | 後 | |
|---|---|---|
| トップ 文字数 | 2,481字 | 1,587字(−36%) |
| トップ「写真」の語 | 13回 | 6回 |
| 事業内容 文字数 | 1,774字 | 1,316字(−26%) |
事業内容ページのほうは、削るのではなく折りたたみにしました。施工の流れ6ステップは、検索から来た人には必要な情報です。消すのではなく、最初は見出しだけ見せる形にしています。
学んだこと
一番言いたいことは、一度だけ、一番強い場所で言う。
これに尽きます。同じことを8か所に書いても、8倍伝わるわけではありません。薄まるだけです。
ホームページを作ると、どうしても「あれも載せたい、これも載せたい」となります。載せた本人は全部読んでいるので、多いことに気づきません。測ると気づきます。
もし自社のサイトが長い気がしているなら、一度同じ語が何回出てくるかを数えてみてください。だいたい犯人はそこにいます。
次回は、この時点でまだ埋まっていないことを書きます。
この連載
- 電話しか入口がなかった
- AIと一緒に作った、という話
- 削って、削って、削った(この記事)
- 公開前に残っている宿題
