2026年7月、内装材の大手2社が価格を改定しました。壁紙も、床材も、接着剤も対象です。原状回復に直接効いてくるので、内容を整理しておきます。
発表された内容
サンゲツ
| 発表 | 2026年4月13日 |
| 実施 | 2026年7月1日 受注分より |
| 対象 | 壁装材・床材・ファブリック・エクステリア・副資材・接着剤等 |
| 改定率 | 18〜30%程度(商品により異なる) |
東リ
| 発表 | 2026年4月6日 |
| 実施 | 2026年7月27日 受注分より |
| 対象 | ビニル床タイル・ビニル床シート、カーペット、壁装材、カーテン、巾木・接着剤等の副資材 |
| 改定率 | 現行価格より20〜30%アップ |
両社とも理由はほぼ同じで、原油・ナフサ価格の急騰、中東情勢の緊迫化による原材料調達環境の悪化、円安、物流コストの上昇を挙げています。
注目していただきたいのは、接着剤や巾木といった副資材まで対象に入っている点です。値上げは仕上げ材だけの話ではありません。
原状回復の見積りにどう効くか
材料が2〜3割上がったら、工事費も2〜3割上がるのか。そうはなりません。
原状回復の費用は、大きく分けて次の3つで構成されています。
- 材料費(クロス、床材、接着剤、巾木など)
- 施工費(職人の手間)
- 諸経費(運搬、処分、養生、駐車場など)
このうち今回上がったのは1だけです。工事の内容によりますが、材料費が全体に占める割合は3〜4割程度であることが多い。仮に材料費が25%上がったとしても、全体では8〜10%前後の上昇に収まる計算になります。
もちろん、これは工事の中身によって変わります。
- クロス全面張替えのような、材料の比率が高い工事 … 影響が大きく出ます
- 解体・撤去や補修が中心の工事 … 手間が主なので、影響は小さめです
「一律で何%上がります」とは言えないのが実際のところです。
いつの見積りが、いつの価格か
見落とされがちですが、**改定は「受注分より」**です。つまり、私たちが材料を発注した日で価格が決まります。
- 6月に見積りを出し、7月に発注 → 改定後の価格
- 見積りの有効期限を過ぎてからの発注 → 再見積りが必要になる場合がある
古い見積書をお持ちで、これから着工を検討されている場合は、**金額が変わっていないか一度ご確認ください。**当社は、改定をまたぐ場合はその旨をお伝えしたうえで出し直します。黙って上げることはしません。
今できること
まとめて出す。 同じ物件で複数室を扱うなら、時期を揃えたほうが材料の手配効率が上がります。
品番を固定しすぎない。 「必ずこの品番」という条件があると、入荷待ちと価格上昇の両方をまともに受けます。同等品で可とできる範囲を決めておくと、逃げ道ができます。
日程に余裕を持つ。 材料の入荷が読みにくい時期です。着工日を動かせると、選べる材料が増えます。
最後に
値上げの話は、業者から見ればお客様に伝えたくない類の話です。ただ、理由の分からない値上げほど不信感を生むものもありません。
何が、いつ、どれだけ上がったのか。それが工事費のどこに効くのか。開示したうえでお見積りを出すほうが、結果的には話が早いと考えています。
ご不明な点は、チャットからお気軽にご相談ください。
出典
- 取引価格改定に関するお知らせ|サンゲツ(2026年4月13日発表)
- お取引価格改定のお知らせ|東リ(2026年4月6日発表)
- サンゲツ、壁紙や床材など18〜30%値上げ 中東情勢の緊迫化|日本経済新聞
